― 海峡南方海域:第三隊 巡洋艦ヘイゼル ―
[他の巡洋艦との距離は開き、敵水雷艇がその間に滑り込む。
敵影確認の報は受けるも、速度を落とす命令は出さない。]
構わん、このまま進め。
回り込まれたら…その時だ。
[水雷艇が転じてこちらに来た場合、確固撃破される可能性が高い事、また背後の護衛が薄くなる事も承知しながら、船は敵巡洋艦の進路のひとつを塞ごうと迫りゆく。]
それに、その方がきっと動きやすいだろうから。
[何が、と言わずとも部下が了解した様子を取ったのは、同じ第三隊という枠の中に居る者だからこそ。]