[ 顔見知りの彼の立場は詳しくは知らず、
王の死という衝撃的な出来事を迎えて
彼がこの後どう生きていくことになるのか
それもまた、当人の口から聞きでもしない限り
ローレルに知る術はないのだけれど。
束の間、柔く微笑んだのは間違いなく
彼の言葉を因りとした安堵からだった。 ]
…では言い換えよう。
「きみがボクの敵にならない限り」は。
きみから話が聞ける日を――待っている。
[ 願わくば死に分かたれるその前に。
彼がきっと全てを言葉にしなかったように>>77
画家もまた全てを言葉にはしない。
真面目な色はすでに声の中にはなく、
常々揶揄うように言葉を交わす時のように
悪戯めいた笑みでふふりと微かに笑った。* ]