― 魔王の城・玉座の間 ―
[魔界が正しく閉じたのを知覚して魔王は満足げに笑む。
そうして足元に傅く黒髪の青年を獅子の前足で引き寄せた。
人としての腕は虚空を指し示す。
空間にいくつもの窓が開き、それぞれ別の場所を映し出した。
魔界にやってきたものたちの姿が窓の中に捉えられる。]
面白きものどもが揃ったことよ。
なにを以て歓待するとしようか。
[思い思いに相手を求め、それぞれのやり方で動いている。
中にはやんちゃなものもいるようだが、それもまた好し。
喉の奥で機嫌のいい唸り声が響いた。]**