……まぁ。一応な。
[士官学校を卒業と同時に参謀本部。殆どが家柄のコネで得たものだというのは、言ってしまうのは簡単なことだが男は口に出そうとしなかった。]
生憎、休暇中で気の緩んだ部下をこき使うほど落ちぶれちゃいないんでな。
[どこかおかしな……といえばそれまでだが、ここまで気を張りつめていたのは逆の空気を感じて。口元を少しほころばせながら吐いたのは軽口らしきもの。小声でつぶやかれたその言葉も、男はしっかりと拾う]
それこそ――――決闘とやらに勝てば、なれるんじゃないか?
[少尉にでも、大佐にでも。俺に頼るよりよっぽど確実だろうに。半分笑い交じりに告げた言葉の裏には、『俺はそんなもの興味はないがな』なんて意がどこかに込められていて。]
それこそ、俺を蹴落とすことぐらい、な。
[いや。半分は完全にからかいの部類であったか。]