人狼物語−薔薇の下国

21 剣と想い ─少年たちの継承戦争─


籠鳥 マリエッタ

[崖に寄り添うように建つ簡素な小屋が、その人物の住まいだった。
 その佇まいに一層不安を募らせながら、扉を開く。
 途端、精霊石の原石だろうか、淡い蒼色の光が幾つも目に入った。
 その奥にある人影は二つ。
 一つは歳のわからぬ男性の、そしてもう一つは自分と同じ年頃の少年のもの]

『ようこそ、お嬢さん。
 私が君に治療を施す、精霊師にして精霊石の研究家だ。
 そして彼が、弟子のシュテルン』

 ……はじめ、まして……。
 東のヴォルケンシュタイン家末子、マリエッタ・ヴォルケンシュタインですわ。

[この名乗りに何か意味があるのかと、またしても失意のままこの地を去ると予期していた少女は、顔を上げぬまま挨拶した。
 それから精霊師に促され、半信半疑のまま椅子に座り彼に身を委ねる。
 幾つかの診察の後、蒼色の石をかざされ、術を施されて]

(97) 2013/07/07(Sun) 21:22:09

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