―戦場・上空―
[ネージュに乗せてもらうときにはいつも、自分の重みを少しでも打ち消せるようにと、力を使うようにしていた。
重症を負った今でもそれをしようとしていて、宝石の光が不自然なこと、いつもより身を軽く感じることに気づく。
抑える手を中心にそっと力を込める。
その手を中心に身を流れる冷気は、彼に冷めたい感触を与え一瞬あせらせたかもしれない]
コンラート、迷惑をかけたね。
[彼がこちらをみれば、仄かに蒼みがかった髪や鱗、翼などが見えたことだろう。
抑えていた手は外されており、首の刺された辺りは凍結して止血されていた。
髪や鱗の色はすぐにまた彼のよく見慣れた金色のものへと戻ることとなるが]