[―――…とにかく、撃って、隙を見て逃げるしかない。弾が尽きる前に、なんとか隙を。兵らは輸送を優先したらしく、追手が増えることはないように見えた。……耳が、勝手に拾ってしまう声。細かい部分までは聞き取れなかったが](――……敵隊か。一人だけど)[そんな場合ではないのに、笑いが漏れる。兵数を勘違いしてくれるに越したことはないが]