[食堂へも、自室へも向かう前。
電池の切れたおもちゃのように蹲り、悲痛な叫びに耳を塞ぐ。>>70
人間に戻れたのは彼の言葉のお陰だ。>>89]
――…俺を、誰だと思ってる
平気に、決まってるだろ
さっきはありがとう
[悪気も悪意もない行為に罪悪感は抱かない。
自分はそういう人間。
今目の前で消えた命より、とうの昔にこの世を去った者を追う。
そんな、薄情な人間なのだから、堪えなくてはと。
過去を食いるのは今を生き抜いた後にしろとゾフィヤに告げたのは。
他でもない自分なのだから。
扉を開けるのを制止するのでなく加勢してくれた。
その礼を告げて、重い一歩を踏み出した。]