― カレンの街・夜が明けたあと ―[戦いが終わり、人々がようやく一息ついたころ。リエヴルの愛馬は、街からも戦場からも姿を消していた。一番に騒ぎ出すはずの彼の部下たちが静観していたから、特に触れられないままとなる。やがて夜が明けて、日が高く上るころ。黒馬は空の鞍を載せたまま帰ってきた。鞍袋に白い花束と手紙を入れて。手紙はリンドブルム家の長女の手によるものだった。それらは開封されることなく、棺に入れられることとなる。]