[ジークムントの唇が幾つも紡ぐ、美しくて優しい気遣い。何処か慣れないのに、真摯な声が何度も自分を労わる] ……ジーク、あの……、[困り果てたように騎士を窺い、言い差した言葉を飲み込んだ。血を吸わせようとする息子とのやりとりを聞けば] ……あの、もしも気にされなければ、だけど。 私の血でも、構わないと思うのだけど…?[躊躇いがちに囁いたのは、何処となく気恥かしく。彼なら断るだろうと思えど、何か差し出せるのならと]