…彼は今、魔軍に属している。
[その一言を紡ぐのには少しばかり間が空いた。
男は王子の反応を見てから言葉を続ける]
彼は、魔軍が自分のあるべき場所と言った。
それ以外に理由は無い、と。
…私の見た限りは、洗脳されているような感じもしなかった。
貴方のことはしっかりと覚えていたし、
貴方のことを話したら感情の揺れも見えた。
洗脳されているとしたら、あのような反応はしないと思う。
だから。
彼は、彼の意思で魔軍に居る。
[己が見聞きしてきたこと、そこから推測されること。
それらを男は王子にゆっくりとした口調で、はっきりと聞き取れるように語った]