人狼物語−薔薇の下国

469 グラムワーグ・サーガ3 〜反撃の嚆矢〜


亡国の将軍 ヨセフ

― 自天幕 ―

[男は自分用の天幕へと戻ると、深く息を吐き腰を下ろした。
身につけた鎧は外さない。
何が起こるか分からないためだ。
ただ、胸当てを少し緩め、その下から細いチェーンに繋がれたカメオを引っ張り出す]

…ヴェルザンディ…ロヴィン…ベルティス…

[それは結婚した当初に妻の肖像を彫り入れたもの。
妻は男の肖像を彫り入れたカメオを持っている]

無事でいてくれ……!

[カメオを握り、その手を額へと当てて男は祈る。
シラーを離れる際、男は自分の屋敷に戻ることが出来なかった。
兄は民の、家族の命と引き換えに首を差し出したが、その願いが守られているのかどうかすら分からない。
男には確かめる術が無かった]

(96) 2017/01/30(Mon) 00:35:30

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