えっ、忘れるもの?
[それはついと驚きを声にしたよう。
不意にタブレットから顔を上げて、目を瞬かせてナレッテを見つめた。>>69
動揺を見せる其の姿を暫く見ていたが、彼が他のことに気を取られてしまえば後追いすることは止めてしまうだろう。
手元に残ったままのタブレットを手にして、ソファの肘置きに緩く腰を掛ける。
アイリもまた、思案を巡らせたのか。>>70
会話が途切れたのなら、今は深く踏み入るつもりはない。
暇つぶしに謎解きのヒントの羅列を眺めていれば。
不意に、戻ってきたオズワルドの声が耳に届いて顔を上げた。>>71]