ただ、武器を取れる強い者ばかりではありませんし、そういう方々を覚悟や気迫に晒さずに済むならば、守りたいと思いもします。…、私は。ロイ兄様のおっしゃる国は、ひとつの理想のかたちかもしれません。けれど、………痛みは伴うでしょうね。[彼の琥珀の瞳は、横たわる困難や苦痛を受け止め、それでも尚強く輝くものだ。今は、それに反しきるまでの強さを持てず、だから少女は切なげに面差しを伏せる]