……ですから、やはり私は、人を放置する事を、得策とは思えないのです。
[やがてそう話を締めくくり、ジークムントへ視線を移す。
自信有りげに断言する彼>>47に、申し訳なさそうに頭を下げた。
天使長にそこまで語らせたにも関わらず、懸念を追いやれない自らを恥じるかの如く]
ジークムント様が仰るように、私の杞憂であれば良いのですが……。
[そう言葉を足して、ゆるりと再び頭を下げた。
何にせよ、そろそろ頃合だろう。
このままここで彼らと言葉を交わしていては、思わぬ失策を犯す可能性だってある。
――それに、先程から意識の端に引っかかる、見知った悪魔の気配も気にかかる]
申し訳ありません、もう少し、この件についてじっくりと考えたく思います。
[彼らの前を辞す事を詫びて、ゆっくりと歩き出した。
やがてその姿は庭園の草木の向こうへと、静かに消えゆく事だろう]**