もしかしたら君の知り合いも肌が褐色だったりしてね。
[ "彼"がその空色の瞳の奥>>79で何を考えているか
ロー・シェンには知ることは出来ない。
しかし何となくその瞳に動揺を見た心地がした。 ]
僕には君のような知り合いがいたよ
この方向音痴を案内してくれる人が。
今回の総会は…その人の代わりで来たようなものだ。
[ 暖かな色の金糸の髪の色は
記憶に残る兄のそれとは大分、違うけれど。 ]
そう、今の君のような仕方ないなって感じの笑顔で
迷っているといつも目的地へ連れて行ってくれる人だった。
[ 越えられない壁のように
どこまでも完璧だった兄。
時が経つにつれ、その顔を忘れていくようで
常々、寂しいと思っていたけれど
話をするうちに、懐かしい面影が朧に思い浮かんで
知らず知らずのうちに口元に笑みを浮かべていた。 ]