[その後、カークは、少し赤くなった目をそのままに、ポツ、ポツ、と自分のことを語る。
"罪"を犯したと真摯な目をして告白する様に>>85、ごくりと唾を飲み込んだ。
"300年以上前" "ネオ・カナン" "風土病" "全滅" "寄生生物利用の治療"
それは、自分が思っていた以上に、壮絶で。
何の言葉もかけられず、ただただ息をのむことばかり。
しかし話が進むにつれて、まず自分で試したという部分には、盛大に眉を寄せ、口を開く。]
……貴方は、なんともないんですか?
[言葉だけを聞けば、不審に思っているように聞こえただろうか。
どこに行っても、いつのことでも、まず自分を犠牲にして他を顧みる姿勢に、呆れていただけなのだが。
回復力は、傷の治りが早かったことをみれば、納得できたし、あの徽章の意味も頷ける。
あまり喜ばしい内容ではなかったが。
記憶を失くす理由を聞いて>>86、ぐぐっと顔をしかめた。
つまるところ、彼の頭の中には、『ガルー』とは異なるが寄生生物がいるということで。
それには大きな動揺を感じたものの、恐怖や、不信感は、不思議と湧いてこなかった。]