[自分たちの倍の数の巡洋艦からの砲撃――
更に砲艦からの集中砲火も浴びた第三艦隊巡洋艦は、
進む程に、その被弾箇所が増えてゆく。
片方は、艦首主砲が沈黙し、右舷副砲が大方やられた。
片方は、破砕孔を艦のあちこちで晒している。
それでも、まだ、止まらない。
水雷艇もまた、“鉄門”副砲やナハティガル主砲による洗礼を浴びながらも――照準を合わせさせまいと小型高速艇の速力を発揮する。限界を要求されたボイラーが震えるように低音で唸った。
ひとつ。甲板を貫通した砲弾が、そのまま海水を艇内に呼び込んだ。
ひとつ。砲撃が機関部に引火し、爆発が起きて噴煙を上げる。
それでも、まだ、止まらない。 ]