人狼物語−薔薇の下国

477 【R18完RP村】暁天はかく語りき、


【3】白狼騎士団 ドロシー

― 帰還の途中 ―

[王都からゾネス要塞までは、馬を休まず走らせて丸一日かかる。
はやる気持ちはあれど、馬を乗りつぶしては、それこそ帰還が叶わなくなる。

王都を出て半日が過ぎた頃、日は沈んで辺りはすっかり夜に包まれた。
馬が疲れを訴え始め速度を落とす。今日はこれ以上は走れないかと、わたしは仲間たちと共に、近くの平民街に立ち寄る事にした。

小さな街だが、宿があって部屋も空いている。
わたしたちは馬を厩に繋いで、食事のために辺りを散策する。
開いている店を探していると、どこからか穏やかな旋律が流れてくるのが聞こえた。>>67]

 あら、懐かしいわね。海女神様を讃える歌よ。

[いかにも漁村出身であるかの台詞が、ごく自然に口をつく。
仲間たちも足を止め、共に耳を澄ませた。この国の民であれば、誰もが馴染みに思う曲。ここから少し先に見える社、どうやらそこから聞こえてくるものらしい。

音色だけでは、一ヵ月前に王都の酒場に居た吟遊詩人のものとは分かるはずもなく。
旋律に穏やかな気持ちになりつつ、ここ最近は音楽をまともに聞く機会もなかったな、と改めて思う。
一ヵ月前は、王都の至るところに歌声や笑い声があふれていた。
国王が亡くなってからまだ数日だというのに、平和だったあの頃は随分と昔の事のようだ]

(95) 2017/04/28(Fri) 20:09:59

SWBBS V2.00 Beta 8++ あず/asbntby