―少し前・談話室―
[――…思う。>>78とそう答えたシモンは本心で言っているように青年には見えた。
(何を言い散らかしやがったんだか…あいつ。)
ヤコブへの言を聞いたなら、内心で舌打ちをひとつ。
ペーターが余計な事を口走っていなければいいが。]
そうか。……あんな子供だったってのになあ。
[それでも、さも、悲劇だと言わんばかりにやれやれとため息を吐いてみせて]
仮に、そんな力を持つ奴が居たとすれば、こんな状況だってェのに名乗り出ねえ理由が俺にはわからねえよ。
人が死んでるんだぞ?…仮に、今更名乗り出られたところで俺には信じられねえなあ。
["魔法使い"の話へは否定的な意見を述べた。
そう。人が死んでいる。…だから、仮に誰かが名乗り出たとて、何故言わなかったと問責することは容易い。
それを疑惑の種へと変えることも――また。]