― 一方その頃 ―
[ヴェルザンディの熱烈なファンたち(バルタザールの妹含む)はというと、倒れたものたちの救援から治療の心得があるものはそのまま救護班へ、外部からの一般客の誘導、お菓子や魔法生物の捕獲、物資の補給のための力仕事など、多岐にわたって活躍していた。
そんな折り、空での状況の変化に注視するように中庭に出て、奇跡を目撃する。
虹色のまばゆい光に包まれて天使の歌声を響かせる麗しき乙女
(注意:彼ら視点での視界であり、実際にそうなっているわけではありません)]
「と、尊い…
「ほ、ほんまに天使や…」
[誰とも知らずに呟いた言葉は反論はでなかった。]
「じ、浄化されちゃう……死んじゃう…死んじゃう……」
[ふらふらと身体を揺らしながら彼らは一人一人その場で膝から崩れ落ちるようにしてゆっくりと安全に倒れていき、倒れて救助される面々が増えることとなったとか。
こうして彼らの思い《たましい》もまた天へと召され―――じゃなくて空へと向かった…のかどうかは定かではない。]