あらゆる場所で人の欲を叶えてきた。
人が踏みいられない深い海底の珊瑚の屋敷。
氷原の最中で迷う人集めた水晶の神殿。
砂漠にあって不可思議な雪の城。
此度のように村や街中で行われることもあった。
叶え方はユーリエの、独断によるものであれ
それは本能か。与えられた使命のように。
数年。あるいは数十年周期で
人の望みを叶えなければならない。
それはアリーセがかつて背いた天の定めた命だがユーリエは逃れられない。
――それが、ユーリエ=クロムウェルの存在のすべて
ただ、アリーセに猫耳を付けたいという欲求は
他ならぬユーリエ自身の