[双子はレオヴィルへ向うという。
今、魔物に占拠されていないのはレオヴィルだけだ。
普通の子供ならば、当たり前の判断だった。
そして、ユーリエ姫の件で、彼らは追われたりはしていないのだろう。
姫の死と無関係ゆえに、とディークは判断する。
子供の姿をしている彼らに、ディークは甘かった。]
以前とは情勢が違う、気をつけてゆけ。
[行く先は同じでも、今回、双子を連れてゆくわけにはいかなかった。
レオヴィル領内にいるだけで、ディークはいつ捕まってもおかしくないのである。]
飴でもあればやるんだが、あいにくと手持ちがなくてな。
おっと、俺とここで会ったことは内密にしといてくれ。
[努めて明るく別れようと試みた。]