― 5年前・ベルサリス学館 ―
[詰め寄られても、クロードの熱弁の火が消えることはない>>165。
寧ろその逆――水底の強い意思を感じさせる口調でもって、
しなやかに力強く、己が主張を口にしている。
こんな風に誰かと議論を交わす経験も、
学館に来て見知ったことだ。
“巫女姫”の役では知りえなかった世界。
肌で感じる、民の危機感]
平和は、誰かに与えてもらうものではない――…
その点には同意いたしましょう。
平和は共に紡ぐものです。
一本よりも幾筋も撚り合わされた糸の方が
強度が強いのは自明の理。