こちらこそ、お手柔らかに。[微笑みを浮かべる候補生に、自然と笑みが毀れ…][それから十一ヶ月。 休暇中の酒の席で、何度か嘗ての同級生たちにとって、指輪について尋ねられた。 中には、年齢の離れた親子のいいところのモーリッツ先生との懇意ではないのかという噂もあったが――その全てに、カサンドラは意味深げに藁って、『答え合わせは来春に』といい続けてきた。 了]