ユリエさん。
あなたにはこのアクアマリンの宝石がお似合いだ。
[気障な笑みを浮かべると。手に持ったスーツケースを開く。
透き通るような蒼い光を放つ宝石が、ネックレスの先で輝いた]
アクアマリンの宝石言葉は、聡明。
教師をしているあなたにぴったりではないかと思ってね。
[もちろん、ホンモノの宝石ではない。タダ同然のフェイクだ。
しかしどうせ見破る目を持っている奴はいないだろうと。
詐欺師は高を括っていた。
この大胆さこそが詐欺師の本領だ]
宜しければ差し上げますよ。
[教師となれば、ある程度の貯蓄はあるだろう。
先行投資としては惜しくはない]