― 王都・回想 ―[ウェストマール王都に到着したカークは、変装の上、絵具と共にテレピン油をたくさん買いつけて、ディークらに届くよう発送した。自分で持って帰らなかったのは、まだ王都ですることがあったからである。それは、この地に留学して──実質は人質として──来ている辺境伯の嗣子オクタヴィアス・ノイアーの動向偵察だ。] 次に会う時は戦場──な。[州都を去る際、信を預けてくれた盟友の言葉をなぞって呟き、風に髪をなぶらせる。>>92]