―祭壇の間―
お久しぶりです、ヴェルトラオム様。
[>>8祭壇の間に佇む銀髪の青年の姿を見とめれば、少女はスカートの裾を軽く摘まみ、一礼する。
神官長を務める彼とは何度か面識があった。]
私に招集のお声が掛かったという事は、他の血脈の方々も同様、という事でしょうか。
[問いながらゆるりと首を傾げればさらりと桔梗色が揺れる。
自他ともに認める箱入り娘であっても、この世界に迫りつつある危機については知っている心算だ。
ずっとずっと、変事があればその力を使って責務を全うせよと、言われて育てられてきたのだから。
――力が未熟な段階で呼び出しがかかるとは思わなかったが。]