[顔を忘れられていても嫌な顔をせずにニコリと笑って質問に答えた>>86。そして、アルビンは身内との再会に喜ぶ振りをしてモーリッツの肩を抱こうとしただろう。モーリッツの話しを聴いていると昔の事を思い出す。そういえば、昔からモーリッツは冬になると人狼が出ると騒いでいた。ただでさえ冬は憂鬱だというのに辛気臭い話しを聴かされて幼いアルビンは苛々した。時には面と向って、「人狼なんて伝承のひとつさ。それを騒ぎ立てるなんて、これだから古くさい人間は嫌だね。」と馬鹿にした事もあったか。]