[短い手紙と、花束と。 それに、『これを兄の傍に』という依頼と、騎兵隊への労いの言葉を記した副官宛の手紙を託した黒馬を送り出した後。 一晩だけ、泣き明かして。 翌日から、彼女は変わらず絶望に囚われかける人々を鼓舞し、前線への支援のためにと奔走する。 諦めずに、前を、未来《さき》を見つめ続ける事。 それが、兄と交わした約束だから、と。**]