おいおいもっと嬉しそうな顔しろよ[ダーフィトの手に握られた瓶の中に、もうひとつ淡い恋心が詰まっているなんてことは20年前も今も察することはできなかったが、彼が撮った写真の中のふたりは、ちいさな恋人同士のようにも見えるくらい、被写体のこころを写していて客観的に見てもいい一枚だった。話し声とその内容に、隠れていたのか出遅れたのか、柔らかそうな金糸の女性の姿が見えれば、ばつの悪さも忘れて頬を緩ませ。]ゴール以外のもの、見つかって良かったな[にやりと笑って、悪友の肘を小突いたか。]