[裏口のドアへと手をかける。この家に住み着いているものがいれば襲ってくる可能性もあるかと警戒したが、屋敷の中は物音ひとつなかった。随分と人は出入りしていないのだろう、金目の物を持ち出そうとした形跡がみられる室内や廊下には厚く埃がたまっていた。]……[埃の上に足跡を残しながら階段へと至り二階へとあがる。目的の部屋へとたどり着き、ドアノブを回すとギィ、と鈍い音がした。]