[ コンラートの声が届いたのは、男が聖水を取り出せることに気付いて、魔界の果実の後味の悪さを洗い流すことになんとか成功した直後のこと。
酷い目には遭ったが、動けるようになったのは幸い、と、立ち上がる ]
ベリアン、シェットラント、三人乗せて長距離を飛ぶのは無理だが、下まで降ろすくらいならできるがどうする?
[ 降りれば彼らは馬を使えるだろうし、交渉次第では、この動く城塞に便乗していくという選択もあるだろう、と、2人にそう尋ねる。
当然ながら、男自身は魔王と同行する気はさらさら無かった、が ]
...礼は言わないからな。
[ グリフォンに騎乗する直前、ぼそりと落とした声は、魔界の果実を男の前に置いたのが誰なのか、を、男が理解していたからだった ]