だから、我とお前は先回りしよう。
[そうしておいて、魔は再び向かうのだ。自らの楽しみへと。
示したのは西のシャスラから延びる街道側、南西から砦に入る出入り口。そこもそれなりに警戒はされていようが、北西側程厳重な警戒はないだろうと思われた。そこへ、]
行くのは我と、お前とこれだけだよ。
他を連れていっちゃ、人じゃないとすぐバレるだろう?
[堂々と遊びを思いついた顔でそんなことをいう。
魔単独であれば、空から砦に至る程度容易いことだ。
だが、僕を連れていてはそうもいかぬ。そんな不便があっても僕を伴わんとするのは、魔がそれなりに僕を評価している証ではあった。]