― 広間 ―
[適当な椅子に腰を降ろし、アルビンの昔語りを傾聴する。
オットーとの約束を果たす形で語られるそれらに、
口を差し挟む心算はないが、青年二人の表情はどうか。
そこに違和の断片の一つでも見つけ出せれば、と
そう思うがゆえに、であったが。]
……オットー…?
[アルビンの語る言葉の何が彼の心に触れたのか、
急に駆け出してゆく>>82オットーの背を困惑乗せた視線が追う。]
どうしたんだい、あれは……?
[幼少期以降縁遠かった彼の事情を察することは出来ず、
当然、アルビンとの間の確執も知る由もない。
付近に居たアルビンの表情とその背とを交互に見やった。]