だから主催は未だ定めぬ。
…が、どちらにせよ準備が必要なのは確かだな。
分かった、それはこちらで進めよう。
リヒャルト、後で諸官を集めてくれ。話を聞きたい。
[ともあれ、内政の事務的な手配ならば兄より自分向きなのも間違いあるまい。進言の思惑はどうあれ、また実際に戴冠と葬儀を行う者が兄と自分のどちらとなるにせよ、そんな理由で引き受けてより数日。
不安の中にも仕事を得た諸官らは忙しそうに立ち働き、一見、王宮内は崩御前の活気を幾分取り戻したかのようにも見える。
官らに指示を与える様が、どう人の目に映るか。それに思い致す余裕はないまま、過ごす数日。]