……フランツ。
先ずは自分のコンディションを整えることを考えな。
[声を向けてしまったために、
余計なことかとは思いつつもフランツにはそう言い添える。
発作のように呼吸を繰り返すその表情は、
邸内に来て最初に顔をあわせた時に見たものと同じで、>>0:85>>0:86最初こそ病を疑ったものだが――当人が何も言わぬのであれば口を差し挟む余地はなく、視線を向けるに留めた。
口調こそ簡素だが、要は、『自分』をまず大事に考えろということだ。いつかも告げたことがある。
オットーが甲斐甲斐しく世話を焼く様に少々双眸を瞠ったが、
休息させるべきとは同意見であったので、特に何も言わず]