ん? 可愛いのは服じゃなくて、私自身でしょ?[とか言いつつ、指は髪をくるくる。][船から目線を外して、一旦辺りを見渡す。少なくとも見知った顔はない。誰か他に人はいただろうか。こいつめちゃくちゃ力強いな、とか思いながら、示された桟橋の方を見止める。] ん、じゃあ、行ってみましょうか。[すたすたすた。重い荷物を持つ彼に手を差し伸べ――ることはもちろんせず、いつもより早い足取りでその入り口へ向かってみる。]