[ 言葉が届いたか、ナネッテに知る術はなかったけれど。>>82
彼の言葉には、挑戦的に微笑むだけ。
現に、ナイフの切っ先が毛皮を裂いた。>>89
赤を流して対峙する狼。
けれど、特攻隊長という名は伊達ではなくて。
標的が、ガートルードへと切り替わる。>>90 ]
っ、!!
ガートルードっ!!
[ 咄嗟に、足が前へと伸びるが。
"信頼"を向けた相手。
この船を守るという約束は知らずとも、ナネッテはその場に留まる。
どうなっても対処できるよう。
目を開き、ナイフを構え、彼女の動きを見守って。
思考を止めず、信じて待つのみ。
怪我をしないで、と望むには相手が悪すぎた。 ]*