『――朔夜。』
[とんっと猫のように一番上から朔夜の元へ降り立った青年の顔は暗く。]
『――対価。
蠍のお守り≪フウインノマグ≫確かに受け取ったわ。
無理矢理引きちぎったようなものだから…ちょっと起きるのは遅くなるかも?
それに、魔力の制御ができないってことは、他の奴らにも狙われるかもねぇ。
……ま、あんたなら大丈夫。』
[銀の鎖、彫られた蠍。
青年は黒猫のように嗤って。]
『スミェールチ≪スベテノハジマリニシテオワリナルモノ≫
朔夜≪ハジマリニシテオワリナルヨル≫を見守ろう。
必要でも必要じゃなくてもね。
消した灯は灯ることはない。
次にあんたが来るのはずっとずーっと後にしなさい。