― 現行・第三エリア倉庫 ―
[聞き慣れた声に名前を呼ばれた>>83気がして、少し注意深く周りを見る。いつもはバイザーが勝手に人物認証をして位置を示すから、少しだけ見つけるのに手間取ってしまった。]
――ドロシー。
ワタシに何か用だろうか?
[右手が無意識に右のエネルギー銃のアールヴァクのグリップを握る。
努めて笑顔を浮かべてみせるけれど、僅かに強ばっていて、どこか嘘臭かっただろう。
テオドールが、ドロシーが狼だと知るわけがない。
だけれど、あんな別れ方をして、また雑談できるとは思っていないし、テオドールの頭はそこまでおめでたくはない。*]