―大広間―
[余りの沈黙に、ため息が出た。あの少女は、自分にだけ見えている幻覚なのでは無いか、とすら思う。
というか……そうかも知れない。ここ最近疲れていたから。]
[それともあれだろうか。これが、クラスメイト達から噂にだけ聞いていた、『イジメ』という奴なのだろうか。
『コンスタンス、あんたみたいな大人しそうな子は、唯でさえ狙われやすいんだからね!』
そんな馬鹿なこと、と思っていたマルグリットからの忠告が、何故か思い起こされた。]
……出来ればそんなこと、無いって信じたいのだけれど……。
[疲れたようにそうぼやく。]
ねぇ、エレオノーレ。
あなたはどう思う?
[一切の説明なしに話を振られた彼女は、「え、何が!?」とでも言いたげにこちらを見ていた。]