[横に斬り放った一閃は空を切ったかにみえたが、
何も無い所からは悲鳴が聞こえると、
じわじわと現れ、倒れた使い魔の姿があった。
確かにこれは目に見える情報は当てにならんらしいと、
男は胸中思えば太刀を構え直す。
この使い魔をどうにかしなければ、
おそらくあの魔女には到達出来まいと、
男はもう一度、鳴丸に雷撃を放つよう言った。
鳴丸が少し嫌そうに鳴いて返してきたのは、
おそらく先ほどの効きが悪かったせいだろう。]
鳴丸よ恐れるな。
お主が外しても某が補おう。
人龍一体、それが騎竜師であろう。
[男が赤い目を見て告げれば、
龍はじっと見つめ返してきた後、長い髭を震わせた。]