― 翌朝/洞窟前 ―
[ 神妃の歌声に安らぎと力を得て、夜の間も、玄武神のみは、その力を周囲へと巡らせ、妖魔の気配を探っていた。
しかし、結局、大きな動きは無く、やがて再び陽光が辺りを照らし出す ]
皆十分に休めたか?
[ 夜明けの空の下、再び洞窟の外まで出ていた玄武神は、打ち揃った探索隊の面々の顔を見渡し、皆気力十分であることを確認して、小さく頷く ]
夜の間は妖魔の動きもなかった。即ち、仙花も大きく動いてはいまい。今日は、東の森のクリフが仙花らしき姿を見た場所を中心に捜索の輪を広げる。
…が、先にも言ったように、あの森には妖魔の影が濃い。言うまでもないが、常に仲間との連絡を取り合い、一人で遠く離れることのないように気をつけろ。
[ くれぐれも慎重に、と、念を押して、出立する者達を見送った* ]