……ええ。
旅の途中、立ち寄った村で……見ました。
その村は、結局、滅んでしまって。
……ぼくも深手を負って……辛うじて、生き延びる事はできたんですけれど……その時の影響で、その。
あまり、長くは……。
[生きられそうにないのだ、と、続いた言葉はごく小さなもの]
……だから、その時喪ったひとのために祈りながら、故郷で静かに、って。
そう、思っていたんですけれど、ねぇ……。
[ぼやくような口調で、これまで誰にも明かさなかった神職への転向と、帰郷の理由を告げる。
それに続いたのは、嘆息、一つ]