ー 夢の中の昔話A・テオドール ー
[僕がおさぼり機関長のテオドールと初めて顔を合わせたのは12年前。
僕がグルトップに乗ったばかりの頃だ。
船にこっそり乗り込んだのがバレて
最初に連れて行かれたのが当時操機長だったテオドールの所だった。>>0:122
その時はまだ話したりもしなくて
当時の機関長、次いで船長へとポンポン手渡された僕だったけど
例の強引なお願いでなんとか追い出されずに船に残れたんだ。
……うん、テオドールの話だね。
テオドールと話したのは結局、船に残れることになってからさ。
「お前、名前は?」
かけられた言葉はそれだけだったかな。]
名前? エディだよ!
[素直にそう答えたら、向こうも名前を教えてくれたっけ。
握手も求めてられたから、それにも素直に応じた。
でも、すごく歓迎されてる訳じゃないっていうのは子供の僕でも分かった。
その理由も少しだけは察してた。
だから、 "よろしく"とは言えなかった。]