― 凍柊の領域 ―[先の厳格な言葉は、凍柊の領域そのものにも感じられた。 人の身では、生きていけない、それ程の過酷さ。 無造作に投げ出されれば、片手をつき雪原に座り込む形に。凍てつきを堪える様にか、雪原を握りしめる。] ごほっ、――ッ、[咳き込み、呼吸を浅くし、冷たい空気が身裡に這入るのを片手で抑える。 熱を容赦なく厳寒は奪いゆく。 冬の装いでもなく、秋先の格好に膝丈までのスカート。立ち上がり、薄目で睨みつける。]