[放送も何度か重ねるうちに、次第に慣れていった。当番が来る度に、何を話せばいいか、原稿作りで悩みはしていたが。その日も始業より早く机に座っては、原稿用紙とにらめっこをしていた。] ………………あ、万里くん?[クラスメイトの姿を認めれば>>79ついていた肘をおろし、僅かに姿勢を正す。] おはよう、今日は早――……え?[何かを差し出されれば、きょとんとした表情で受け取る。それがCDであると知ったのは、手中に収まった後。]