[クララの迫力のある視線には動じない。何故なら大らかと言えば聞こえは良いが、小言を言われても、その直後はごめんと素直に謝るもののすぐに忘れてしまうから。
既に母親には完全に諦められてしまっている。
故に絵画関係で釣った方がいいとの評価は全く正しい。]
見るー?
[しかし片付けの最中に絵を気にする様子を感じ取って、キャンパスをクララの方に向けた。
まだ描きかけだが、図書館の全体とその隣の木々の一部を写し取ったものであることは分かるだろう。専門の学校で学んだ訳ではないから、その筋の人からどんな評価を下されるかは全く分からないけれども。
そして、絵に関する話になると途端に表情が引き締まるのがこれまた通常運転だった。
それでも待たせては悪いとの意識はかろうじてある。
クララが見終われば、すぐに片づけを再開するだろう。]