[>>81祭りが終われば、という言葉への反応は様々だ。
嬉々として肯くもの。
残念そうに眉尻を垂らすもの。]
……はい!
[青年は前者の方だ。
祭りは一時だから楽しいのだ。
ここには騎竜師や精霊師となるべく通っているのだから当然、学力に励むべき。
ローランド・アヴァンサルという教官の名前を知ったのは兄からだ。
騎竜師を輩出する家出身で、前任者だった兄の後を引き継いだ形となった教官。
彼は長らく放浪の身だったらしい。
二歳年上の兄は熟練の腕を持つ教官を高く評価していたので、早く授業を受けられるようになりたいと思っていた。
臨時教官だと彼は称しているので、いずれはまた何処かへ旅立ってしまうのかもしれない。
晴れて訓練を受けられるようになった身としては、最後まで教えを受けたいとは思っているのだが。*]